国土交通省から新ガイドラインラインが公開されました。今回のガイドラインは、ドローンの複数機同時運航を安全に実施するためのルールを示したものです。簡単に要約したので参考にして下さい。
1. ガイドライン策定の背景
国土交通省航空局は、ドローンを複数同時に飛ばす際の安全ルールをまとめたガイドライン(第一版)を作りました。
ドローンは農業、空撮、測量、インフラ点検など様々な場面で使われており、社会にとって重要な存在になっています。特に、1人の操縦者が複数のドローンを飛ばせるようになれば、仕事の効率が上がり、コストも下げられます。しかし、今までの法律では1人の操縦者が1台のドローンを飛ばすことしか想定しておらず、安全なルールが必要でした。そのため、新しいガイドラインが作られました。
2. どんな飛行が対象になるのか?
このガイドラインの対象は、以下のような飛行方法です。
- レベル3または3.5飛行
- レベル3:人がいない場所で、操縦者が直接見なくても飛ばせる飛行
- レベル3.5:一定の条件を設けて、人がいない場所で自動飛行を行う飛行
- 1人の操縦者が最大5機まで同時に運航
- 各機が独立した制御を受け、操縦者が全体を管理
- 事前にリスクを評価し、安全な飛行計画を作ることが求められる
3. 安全に飛ばすためのルール
(1) 機体のルール
- 航空法に適合したドローンを使うこと
- 他のドローンの位置を把握できるシステムを導入すること
- 異常が発生したら自動で対応できる安全機能を備えること
- 通信が安定するよう、電波干渉を避けること
(2) 操縦者のルール
- 複数のドローンを同時に操縦するための訓練を受けること
- 緊急時の対応手順を理解し、適切に対応できること
- 1人の操縦者が管理するドローンは最大5機まで
- 各ドローンの動作をリアルタイムで把握できること
(3) 運航管理のルール
- 事前に飛行計画を作り、リスクを確認すること
- 緊急時の対応マニュアルを用意すること
- 他の航空機や地上の人・物と衝突しないよう監視体制を整えること
- 天候や周囲の状況をリアルタイムで監視すること
(4) リスク対策
- 空中での衝突防止:ドローン同士の距離を保つ
- 地上での事故防止:安全な飛行高度やルートを設定する
- 通信トラブル対策:電波干渉を避け、安定した通信環境を確保する
- 監視体制の強化:カメラやセンサーを活用してドローンの状況を確認
4. 必要なマニュアルの作成
ドローンを複数同時に運航する際には、以下のようなマニュアルを作成し、関係者で共有することが求められます。
- 運航マニュアル:飛行計画や安全管理のルールをまとめたもの
- 緊急時対応マニュアル:トラブル発生時の対応手順を示したもの
- 操縦者訓練プログラム:複数機の運航に対応できる技術を習得するための教育プログラム
- 点検マニュアル:ドローンや通信機器の定期点検を義務付け、チェックリストを作る
5. 今後の展望
今回のガイドラインは現時点での技術や運用環境を考慮して作られたものですが、今後の技術革新や運用の変化に応じて、随時見直される予定です。特に、自動飛行技術やAIを活用した運航管理の発展により、さらに多くのドローンを同時に飛ばせるようになる可能性があります。
また、規制緩和や国際基準との調整も進められ、より安全で効率的な運航環境が整備されるでしょう。ドローンの活用が進めば、物流、災害支援、農業、都市計画など、多くの分野で新しい可能性が広がります。
まとめ
今回のガイドラインは、ドローンの複数機同時運航を安全に実施するためのルールを示したものです。これにより、事業者は安心して多数機の運航を行えるようになり、ドローンの活用範囲がさらに広がります。
このルールが定着すれば、物流や災害時の支援、インフラ点検など、さまざまな場面でドローンが活躍することが期待されます。今後はAI技術や5G通信の導入も進み、より高度なドローン運航が可能になるでしょう。